2015年3月12日

丹下作品「若人の広場」/慰霊施設を交流の場に

阪神・淡路大震災によって被災し、安全上の理由から閉鎖されていた建築家・丹下健三氏の作品「若人の広場」(兵庫県南あわじ市)が、丹下都市建築設計の手により蘇った。
 昨今多くの近代建築が解体される中で、第2次世界大戦における学徒動員の慰霊施設は、新たに若い世代の活動・交流の場という役割も担い生まれ変わる。
 老朽化や地震による劣化を改修したほか、耐震補強を実施した。丹下憲孝代表は、「平和とは一人ひとりが自分の責任のもとに考え続けていくものだ。交流の場として活用され、亡くなったひとたちへの思いや平和への思いなど感じることを話し合ってほしい」と期待を込める。
 設計に携わった木村知弘副社長は、改修を通じて地震により崩落した石積みなどに技術的な更新を加えて建築性能を高めながら、「全体の意匠が損なわれないように意識した」という。
 今後は、南あわじ市の公園として今月末にも供用を開始する。
 丹下代表は「父が設計した建築の修繕に携わることができたのは大変ありがたいことだと思う」と話す。続けて「重要なのは歴史を継承して過去を思うだけでなく、現在・将来にどう伝えるかだ。これからこの施設を南あわじ市全体の中でどう位置付けていくのか。広域的な活用方法についても提案していきたい」という。