2015年1月26日

最悪想定し次期強靱化計画/水害、土砂災など個別事象抽出 /ナショナル・レジリエンス懇

  内閣官房の「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」(座長・藤井聡内閣官房参与)が、次期国土強靭化基本計画に向けた検討を本格化させている。 焦点は大規模自然災害などに対する脆弱性評価。地震、津波、火山、水害、土砂災害、高潮といった各分野ごとに対象とする個別事象を抽出して、国土強靭化 「目標レベル」のベースになる「起きてはならない最悪の事態」(リスクシナリオ)の設定につなげる。

 国土強靱化基本計画は、社会資本整備重点計画やエネルギー基本計画など他の計画の上位に位置付けられる、いわゆるアンブレラ計画。防災・減災の分野では、同計画をベースに各府省庁が連携して施策を推進することになる。
 脆弱性評価は、自然災害に対する国土のウイークポイントを調べる“国土の健康診断”とも言うべき作業。起こり得るリスクの「見える化」を図っていくことで、施策の優先順位や重点化の方向性を明確にする方針だ。
 検討に当たっては、地震、津波、火山、水害、土砂災害、高潮といった各分野ごとに、専門家からの意見を聴取。ヒアリングの結果を参考にリスクシナリオの対象とする個別事象を抽出する。
 22日に開いた会合では、高潮、水害、土砂災害を対象にヒアリングを実施。磯部雅彦高知工科大副学長、小池俊雄東大大学院教授、池谷浩政策研究大学院大特任教授が、それぞれの災害の特徴と課題、対応策の方向性を提示した。
 地震、津波、火山の3分野を対象とする次回会合で、阿部勝征東大名誉教授、今村文彦東北大災害科学国際研究所所長、藤井敏嗣東大名誉教授にそれぞれヒアリングする。
  2度にわたるヒアリングで提示された各分野ごとの被害の概観(人的影響、社会インフラへの影響、直接的・間接的な経済的影響、心理的影響)を踏まえなが ら、懇談会として「起きてはならない最悪の事態」(リスクシナリオ)を設定する。これをベースに国土強靱化の目標レベルや、施策の優先順位付け、重点化の 手法などを検討していく。
 2014年6月に閣議決定した現行の国土強靱化基本計画には、国土強靱化に影響する地方自治体や民間事業者の独自の取り組み、火山や津波など各分野ごとの影響度合いと起こりやすさといった個別事象の選定基準を組み込むことができていない。
 5年に1度の見直しの中で、次期計画に現在、検討を進める個別事象ごとのリスクシナリオや、リスクシナリオをベースにした目標レベルの設定など、「大規模自然災害などに対する脆弱性評価」の内容を組み込むことになる。