2014年9月10日

埼玉大学レジリエント社会研究センター所長 田中規夫氏に聞く

【地域の安全・安心研究を陣頭指揮】
 防災、環境、社会基盤を対象にした“真のレジリエント社会”の構築を目標に、埼玉大学が4月に発足したレジリエント社会研究センター。理工系と文系の教授が参加する『文理融合』で総合大学の強みを生かし、「国際貢献も含めて研究する」ことが目標だ。成果を地域に役立てるため、教授陣が専門分野を生かした取り組みを展開。「行政と異なる角度で安全・安心に関する研究を進め、きっちりとした流れをつくる」とし、自身も研究にかかわり、陣頭指揮を執る。
 「埼玉県内の降雨と災害環境の変化の解析」では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の結果を活用し、リージョナル気候モデルを同県にダウンスケーリングで当てはめ、水災害環境の変化を解析。「李漢洙准教授を中心に研究している。解析結果から水災害環境の変化を明らかにし、土地の利活用について住民や行政に判断してもらうことが望ましいと思う。総合的な県土の安全構築に役立てたい」と力を込める。
 小嶋文助教らは、災害時のコミュニティーバス活用方策を研究。関東地方整備局荒川上流河川事務所と連携し、川島町をケーススタディーとして「災害時にコミュニティーバスが高齢者ら災害弱者を避難所に運び、避難の効率性を高める手法を開発している」
 海外では、スリランカの廃棄物処分場の汚染防止と修復技術の構築事業を川本健教授と進めている。「地域で調達できる粘土材料やココヤシなどバイオ材料を使用し、低コストで持続可能な技術を確立する。現在、同国の大学・研究機関、関連省庁と共同で研究成果をガイドとして取りまとめており、将来的に同国全体に浸透させるのが目標」と、積極的に展開する意向だ。