2013年3月29日

仙台で復興技術支援フォーラム 東北建設協らがレジリエントな国土形成へ

東日本大震災からの復旧・復興をけん引するとともに、レジリエント(しなやかで強い)な国土形成に寄与する技術の開発・普及を目的とした「東日本大震災復興技術支援フォーラム」が27日、仙台市青葉区のウェスティンホテル仙台で開かれた=写真。東北建設協会や日刊建設通信新聞社などでつくる実行委員会が主催した。経済評論家の長谷川慶太郎氏が基調講演し、「世界最高水準にある日本の技術を人類全体の成果のために全力で広げていくことが重要だ」と強調。また、7人の研究者が津波堆積物の有効活用などに関する技術開発の取り組みを報告した。
 冒頭、実行委員会を代表して菅原政一東北建設協会理事長が約500人の参加者を前に「多くの困難な課題が山積している復興を進めるには、産学官の英知を結集することが重要だ。その成果が今後の防災・減災に生かされ、国土のレジリエンス確保につながることに期待したい」とあいさつした。
 続いて、『東日本大震災復興と技術者の役割』と題して講演した長谷川氏は、安倍政権が進めている経済政策・アベノミクスについて「戦後の世界恐慌のさなか、円安政策と思い切った財政投資によって世界で最も早く恐慌から脱出させた高橋是清の経済政策の平成版だ」と評価した上で「既に輸出産業の明るい展望が開け、春闘にも良い影響を与えている。アベノミクスがさらに進行すれば、被災地での復旧・復興工事にもプラスになる」と語った。
 また、「日本の技術者のたゆまぬ努力により、わが国は世界一高い技術水準を成し遂げた。得られた成果は人類全体への貢献として、全力で広げていくことが重要だ」とした。
 さらに「東日本大震災からの復興で技術者が大きな役割を果たしているが、当地だけの問題ではなく、地球全体の課題としてとらえるべきだ。技術者による全力の努力こそが、技術の成長と発展、技術者の役割の高まりをもたらす」と強調した。
 この後、7人の研究者がそれぞれの技術開発テーマの概要などを紹介。このうち、高橋弘東北大大学院教授は、津波堆積物の再資源化による人工地盤造成の試験施工を実施した結果、良好な成果が得られたことを報告した。
 森友宏東北大大学院助教は、木くずなどの有機物が混じった津波堆積物由来の土砂について「締め固めが難しく、有機物の腐食を考慮した長期安定特性の検討が不可欠だ」と説明した。
 今村文彦東北大災害科学国際研究所教授は、あらかじめ登録されたメール受信端末に適切な避難情報を配信する「緊急津波避難情報システム」の概要を紹介するとともに、会場でデモンストレーションを実施した。