2013年3月7日

「待ったなし」のインフラ再生! 日本建設業連合会インフラ再生委員会委員長 柿谷 達雄氏に聞く

日本建設業連合会が立ち上げた「インフラ再生委員会」の委員長に就任した柿谷達雄清水建設代表取締役副社長土木事業本部長は、「現場で培った施工技術やマネジメント力で社会に貢献しなければならない」と力を込める。入札制度のあり方や生産性向上などの検討を進め、まずは5月の各ブロックの意見交換会での意見提出を見据え、2013年度に予定されている官民の懇談会に向け、提言・提案・要望を整理する考え。
 老朽化の問題を指摘する声は以前から多かったが、中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故を受け社会的要請は「待ったなし」となった。13年度に発足する予定だった委員会を前倒しで立ち上げ、既に委員会参加会社にはインフラ再生に関連する保有技術のアンケート調査を実施。4日の技術部会を皮切りに再生戦略部会も具体的な検討が始まった。インフラといっても鉄道や下水道など分野が広いため、再生戦略部会では当面、「トンネル、ダム、橋梁下部を重点的に取り上げる」という。
 国土交通省や高速道路会社で進む調査・検討・提言の具体化に当たっては「既存インフラの施工・点検・補修記録は施設管理者が保有しており、官民連携が大事だ」と情報交換を求める。ただ、「計画などのノウハウがない発注者に対しては、調査・点検・計画や資材調達力、人材・資金力で協力できるだろう」とも語る。
 維持管理・補修・リニューアルなど、インフラ再生は「建設会社にとって、規模が小さく、継続的に仕事があるわけでもなく、大々的には取り組めなかった面がある」と率直に話し、「供用しながらの工事など新設とは違う面がある。発注方法を考えなければならない」と問題認識を示す。「維持管理付き発注方式や調査から施工までの一括発注なども話題になっている」と明かし、「継続的なスケジュールが分かるような発注になれば、対応しやすい」と発注のあり方も提案したい考え。
 契約面だけでなく、人材面も大きな課題だ。維持管理に限定した問題ではないが、「監理技術者の兼任や工事経験要件などの問題もある。工夫しなければ対応できない」とし、維持管理の資格制度などの検討も念頭に置いている。
 人材面の課題と関連し、「根本的には生産システムを改革する必要がある」とも考えている。技術部会ではCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などの活用を検討することで「生産システムを効率化し、計画から維持管理まで情報の管理もしやすくなる」と期待している。
 (かきや たつお)1971年3月名古屋工大土木工学科卒後、同年4月清水建設入社。専務執行役員土木事業本部長などを経て、12年6月から現職。12年4月から日建連海洋開発委員会委員長。石川県出身、64歳。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月6日