2013年1月28日

「防災の主流化」今後の目標に 内閣府らアジア25ヵ国が情報交換


 内閣府、アジア防災センター(ADRC)、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)は23日、「アジア防災会議2013」をANAクラウンプラザホテル神戸(神戸市)で開いた。アジア各国の防災能力を高め、アジア地域の防災ネットワークを充実・強化することが目的。ADRCメンバー国(30カ国)政府、国連など機関の防災担当者を含めて約80人が出席した。

 終期まで残り3年になった兵庫行動枠組み(HFA)の進捗状況フォローアップと15年以降の国際的な行動枠組みのあり方を情報交換した。また、防災・減災での高度な技術の活用や、多様な主体の参画、特に民間セクターによる防災・減災対策をテーマに議論した。
 冒頭、内閣府の亀岡偉民大臣政務官は「ADRCのメンバー国とアドバイザー国による活発な議論によって、この会議が大きな成果につながることを願っている」と述べた。ADRCの伊藤滋センター長とUNISDRのアンドリュー・マスクレイ国連世界防災白書コーディネーターのあいさつの後、午前のセッションとして「空間技術による防災」を議論した。
 まず筑波大学の村尾修准教授が1999年の台湾や07年のペルーの地震などの事例を挙げ、「リモートセンシングは現地調査に比べて広域を対象にでき、費用も安い」などの利点を説明した。また、宇宙航空研究開発機構の内藤一郎氏は地球を観測する人工衛星の将来をテーマに説明した。これらの議論から、巨大災害に限らず、日常的に起きる災害に対しても、素早く正確に被害状況を把握できる技術が進歩していることなどを確認した。
 午後からのセッション2「民間による防災の取り組み」では、東日本大震災やタイの洪水による世界的な製造・物流の中断は被災国にとどまらず、他国の国民生活にも影響を与え、民間の防災・減災対策が改めて注目を集めたことが分かった。一方で、グローバル化した企業でなくても、災害から受ける影響を極力抑え、速やかに平常の活動に戻すことができれば、結果として地域コミュニティーの防災力向上につながることが報告された。
 最後のセッション3は「災害リスクの低減に向けた世界的な潮流とポストHFA」をテーマに定めた。HFAの各国の進捗状況を調べたところ、防災・減災の体制整備は進んでいるが、それをインフラ整備や地域経済開発などの個々の政策に反映し、実現することは遅れている傾向にあることが分かった。そのため、引き続きアジア諸国はHFAを推進するとともに、防災・減災の対策をインフラ整備や地域経済対策と一体化する「防災の主流化」がポストHFAの大きな目標となることを確認した。
 アジア防災会議は03年1月に神戸で第1回を開催、今回で8回目となる。これまで日本のほか、カンボジアや韓国、カザフスタン、インドネシア、スリランカで開いた実績がある。今回の会議はメンバー国30カ国のうち、イラン、パプアニューギニア、バングラデシュ、ロシア連邦、中国の5カ国を除く25カ国が参加した。
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 参加した国は次のとおり。
 ▽アルメニア▽アゼルバイジャン▽イエメン▽インド▽インドネシア▽ウズベキスタン▽カザフスタン▽カンボジア▽キルギス▽シンガポール▽スリランカ▽タイ▽タジキスタン▽ネパール▽パキスタン▽フィリピン▽ブータン▽ベトナム▽マレーシア▽モルディブ▽ミャンマー▽モンゴル▽ラオス▽韓国▽日本。